上級者への道

TOEIC800から900へ【後編】

こんにちは、なみすけ85です。

前回でシャドーイングの基礎を体得できたかと思います。

今回後編では、英語力と受験力を両方高めることができるTOEIC模試の活用例をご紹介していきます。

だらだらやっては身につくものも身につかないので、以下を参照頂きながら、ご自分向けのルールを作って、効率的に模試に取り組みましょう。

TOEIC模試を解く際の約束事7ヶ条 【英語力と受検力】

シャドーイングの基礎が出来上がったら、すぐに模試に取り組みましょう。英語力と受検力を最大化する工夫として、模試を解く際の約束事7ヶ条を予め決めておきます。

① 量の制限

TOEIC800点前後の皆様であれば、模試は多くても10セットと制限すること。その前に必ず結果が出る。最大10セットと自分の中で決め、終わりの見える学習でやる気と集中力を維持する。1週間に1回分のペースでやったとしても、2ヶ月くらいでコンプリートできる。10セットとは200問x10セットで合計2000問。これだけやれば問題形式への慣れ、問題の予測(リスニングでもリーディングでも話題の展開が予想できるようになる)、ペース配分等その他諸々、TOEIC900突破に必要な「受検力」を体得できる。「これで無理なら諦める」精神でモチベーションを保ちつつ、終わりの見える学習を続ける。ちなみに私は7回分の模試を解いて900を突破した。

② 問題集の選定

自分が使い倒すために、信頼できるものを選ぶこと。TOEICの模試比較をしていない私から、一概に「これをやってください」とは言えない。ただ、本番を想定する意味でも公式問題集は1, 2冊やっておいた方が良さそうである。TOEIC専門家の方々によると、良問が豊富とのこと。

③ 最低100問は通しで解く

少なくとも、リスニングもしくはリーディングの100問は通しで解くこと。TOEICテストで高得点を取るにあたって、実際の試験では英語力のみならず、「英語体力」なるものが要求される。長時間の試験にへこたれない持久力をつけよう。もちろん全問200問通しで解けたら完璧。

④ 制限時間の設定

リーディングは必ず時間を計測しながら模試を解くこと。本番では時間との闘いになるので、ここでペース配分を身に付けておく必要がある。75分をどう時間配分するかは各々自分に合った目標値を立てておく。また残り時間が少なくても、必ず最後まで目を通して解くことを目標にしたい。最悪ざっと見ることしかできないかもしれないが、意外と最後のトリプルパッセージに簡単な問題があることがある。得点を大幅に下げることにつなるので、マークシートの塗り絵だけはやめること。

⑤ 復習の徹底

(筆者が実際に使っていたノート)

間違えた問題は二度と間違えない様に心がけること。問題集に付属してある解答用紙を縮小コピーしたものにマークしていき、答え合わせが終わったものを貼り付けてある。間違えた問題は赤丸でマーキングし、あとで何度でも復習できるよう正解は書かないようにする。マークシートの回答に慣れるという点においても有効。知らない単語に出会ったら、ノートの余白にメモして覚えてTOEIC高得点取得に必要なボキャブラリーも強化していく。

⑥ ここでもシャドーイング

解き終わった模試の音声を使い、暇さえ有ればシャドーイングをすること。英語の語順のまま理解する力をさらに強固なものにし、速聴速読の向上に直接的に貢献する。特にここを濃くやりまくる。

⑦ 積極的なブレイク

疲れたと感じたら、躊躇せず息抜きすること。模試を使った学習は正直疲れる。英語学習は継続的にやり続けることが大切である反面、精神的に滅入り途中で挫折して長い間止めてしまっては、また1からやり直しになる。2日、3日の休みも恐れず、長いスパンで英語に対して積極的で有り続けることが何よりも肝要である。



スコアBefore-After

上記で勉強法の紹介は終わりです。

しかし、本当に今まで停滞し続けたスコアがそんな短期間で伸びるのか?

ネット記事の信憑性について半信半疑になるのは自然な思考です。そのため、証拠のスコアを以下に掲載します。こんなスコアは自慢にもなりませんが、目的はただ一つ。皆様のモチベーションをあげ上記を実践してみて欲しいだけであります。

(学習を始める直前のスコア)

840という得点は、数字だけみればそんなに悪くない様に映るが、内容はズタボロ。試験直後は毎度お馴染みの「できなかった」という感覚に支配された。リスニングは聞き逃し多数。リーディングは最後の14,5問が塗り絵。

(学習開始から2ヶ月1週間後のスコア)

上記の学習法をがっつり2ヶ月1週間やって受けた結果が945。試験後、人生で初めて「TOEICテストがまあまあできた」と感じました。前回と比べて決定的に違ったことが2つありました。

リスニング:相変わらず、集中力が低下し、設問を先読みできなかった問題がいくつか出てきた。しかし、先読みできていない音声を、頭の中でシャドーイングすると、その情報が頭の中に残る。聴き終わった後に設問をみると、意外と先読みせずとも記憶だけで解ける問題があった。ペースが乱れてもそれを取り戻すことができた。

リーディング:初めて最後の200問目まで(スキミングで)読み切って回答することができた。途中首を傾げる設問もあった、上手く気持ちの整理をつけて次に移ることができた。

なみすけ85
なみすけ85
英語の語順で読む特訓と体得したペース配分がガチッとはまった様な感覚

(さらにその1ヶ月後のスコア)

最後にこちら。前回で945なんて取れる予定もなく申し込んでしまっていたので惰性で受検した結果。あろうことか一ヶ月間ひたすら怠惰な生活を送り、英語とは離れていました。完全な燃え尽き症候群。

しかしそれでも、900点を取れる実力が付いたということです。今までピクリとも動かなかった800点台から大きな進歩でした。

きつくても3ヶ月だけ続けて欲しい!

最後はよくあるダイエット本みたいなタイトルになってしまいました…

3ヶ月とは、シャドーイングの特訓で1ヶ月+TOEIC模試10回分で2ヶ月。

なみすけ85
なみすけ85
長い人生のうち3ヶ月だけと思ってやってみる

英語の発話の経験が少ない学習者は、最初シャドーイングを億劫に感じるかもしれません。しかし私の様な、いわゆる純ジャパの方はまずこの壁を乗り越えなくてはなりません。帰国子女や長期留学者等の長い間英語浸けになった方でもない限り、この特訓なしに後の難関英語資格の取得は不可能であると断言したいと思います。

シャドーイングができないままであると、本物の英語力が進歩せず、スコアが頭打ちになります。中には、TOEIC800点以上をすでにお持ちの方で、何度も試験を受験するうちに、そのコツや問題の形式に慣れ、最大瞬間風速によって900点を突破されることはあるかもしれません。しかし我々の目標は、後の英検1級、さらに上を目指す方は国連英検特A級、TOEIC満点の取得ですので、英語を語順通り理解する力をここでマスターしておくことが必要不可欠です。

まとめ

800点から900点に到達するのが難しいと言われる理由の一つに、よく「伸び悩み」とか「停滞期」が挙げられます。

しかし、まずこのレベルに到達するためには、これまで学校で教わった勉強法を変えなければならないかもしれません。特に私世代の30代〜40代の方は、ここの部分を十分に中学や高校で教わっていない可能性があります。

そしてそれに気づかずに長期間独学で対応しようとすることが、伸び悩みの原因かもしれません。実際にこのスコアを取得できるアドバイザーが近くにいなければ、なかなかここに気づきにくいかもしれません。

本記事が、TOEICスコアならびに英語力が停滞している学習者の「新たな気づき」になれば嬉しい限りです。

ABOUT ME
なみすけ85
会社員(38)。2児の父。趣味でブログ運営。英検1級、TOEIC満点、国連英検特A級(外務大臣賞)。できるだけ金のかからない自宅学習法を目指して発信。