こんにちは、なみすけ85です。
早期英語教育。
思い返せば、4歳半ばを過ぎてから自宅で始めた息子の早期英語教育も5年が経ちました。
(過去記事はこちら)
私の仕事の都合で、手をつけない空白の期間もありましたが、できるときはコツコツと英語に触れる時間を積み上げ来ました。
その結果、自宅での英語学習で英検2級に合格することができました。
YouTubeのフォニックスソングをお家で歌うところからスタートした早期英語教育。私の仕事が忙しくてかまってあげられない空白の期間もありましたが、5年間続けた結果、なかなかの英語話者に成長した様です。 pic.twitter.com/G8oHT2yVsN
— なみすけ85 (@namisuke85) March 9, 2021
この先は、子供も小学4年生になり、中学受験の準備も少しずつ始まります。
今後も小学生のうちにできれば英検準1級を目指しますが、英語学習を少しスローダウンする予定。
このブログの早期英語関連の記事は、筆者である私が子供の教育法や早期英語のメソッドなどにあまり詳しくないため、できるだけ使用したインプット(学習教材)とアウトプット(学習効果や試験結果)と言う形で、事実に基づくように書いています。
そのため、普段はあまり自分の考えを入れないように心がけていますが、一旦ここで、0から英検2級合格までの自宅学習の記録を残しておこうと思います。
実際に5年間やってみて、私がどのように早期英語を捉えているのか。
我が家の経済状況とか犠牲にするものとか、結構生々しいところまで踏み込まないと伝えきれないと思うので、少し引かれることを覚悟しつつ。
普段私が頭の中でどんなことを考えながら早期英語に取り組んだか、私のメンタルの部分をできるだけ分かりやすくまとめたいと思います。
Contents
筆者について
まずはじめに、私自身が教育論や英語教授法に詳しく無いこと、そして我が家の学習法はあくまで1ケースの事例紹介であること、の2点を再度強調したいと思います。
これを書く理由は、自分でも、おそらく本流とされる早期英語教育法から脱線した手法であるのだろうなという自覚があるからです。
ツイッターで色々な英語の先生や早期英語を実践されたママさんたちの学習法を拝見し、日々勉強させてもらっているのですが、おそらく我が家で取り組んだ学習法は少し異質なもの。
早期に英語学習を始めて一定の結果は出ましたが、「これが最適な学習法である」とは決して言えないと思います。
おそらく、早期英語教育は、「早期外国語学習」「英語教授法」等といったアカデミックなメソドロジー(方法論)が存在し、そこで一般化された手順に従うことで多くの方で効果が確認されたもの、と理解します。
ですので、本ブログの冒頭でも書きましたが、あくまで「こういうスタイルで英語を学習している家庭もある」ということをお見せしている格好であると思っています。
そして本ブログが、他人の英語学習法を否定するつもりは微塵もないこと、そちらも予め強調しておきます。
なぜ本流で行かなかったのか?
では、なぜ私が本流の一般的な手法に頼らなかったのか?
「やろうとしたができなかった」というのが、正直な答えかと思います。
理由は2つ。
一つ目は、早期英語を始めた年齢は、息子の場合、4歳半を過ぎたくらいだったのですが、すでに日本語のベースがしっかり頭にありました。
全ての生活を日本語で思考する息子に対して、初めからオールイングリッシュで攻めるというのは、どうようにアプローチすれば良いかがわかりませんでした。
過去に「家庭内の会話を日本語から英語に切り替える」アプローチを本で見たことがあります。
しかし、日常会話とは、伝えたい会話、必要な会話など「重要な事項」も多く含んでいます。
これを英語に変えると、その伝達具合は急激に下がりますので、日常生活が成り立たなくなってしまいます。
正確には、親である私がその負担に耐えられなかったというのが大きいのですが、犠牲にするもの大きいと判断しあえなく断念。
また外注によるアプローチとして、インター的な幼稚園や小学校に通学させる手段もあります。
しかし実際問題として費用がかかります。
こちらも「いいなー」と指をくわえながら、経済的な理由により断念。
二つ目の理由は、上記の苦しい状況を頑張って前向きに捉えようとした結果出てきたものとも理解していますが、早期教育の不確実性です。
ツイッターでも多くのご家庭が利用されている高額なシステム教材。
長期的にインターに通学させる出費と比較すると、「これなら購入できるかも」という状態でした。
しかし、いつも頭によぎるのは「それを買ってもし効果がなかったら…」という疑心暗鬼な状態。
もちろん多くのご家庭で、システム教材で与えられる教材や手順に従うことで、英語力の向上が証明されていますので、我が家もやれば一定の効果が得られたのかもしれません。
ただ5年前の私はまだ若かったせいか、不幸にも自分自身が体験していないので信用できなかったせいか、「子供の学習は、大人と比較して不確実性が高い」という理屈に支配されていました。
大人の英語学習は、時間を投資すればした分だけ、効果の出方は非線形的にというか、完全にはリニアではないですが、効果はでます。
大人の場合は、良質な英語を大量にインプット(学習)することで、一定のアウトプット(効果)が出る、というのは実体験としてあります。
「インプット(学習)」→「システム(大人の頭脳)」→「アウトプット(効果)」の流れで、そもそも中間のシステムがどのようなものか、子供と比較して明らかです。
一方子供の場合、この「システム(頭脳)」が大量の不確実性を含んでいると考えていました。
これは我が子を観察していてそう思うのですが、子供の成長は十人十色であるため、「あの子には効いたけど、我が子には効かない」というケースが大人の学習と比較して多いのではないかと。
こうなると厄介です。
不確実性が高いと、高価なシステム教材で予め用意されたメソッド(一般化された手法)が効かない場合がある、という具合に思考していました。
〇〇さん家の教育法的な書籍などを読んでみてもなかなかしっくりきませんでした。
「早期学習とは結局、メソッドとして成立しないのではないだろうか」という疑念に支配され、すっかり路頭に迷いました…
合理性に重きを置く方針
その後、私がどのように早期英語を捉えるようになったかについて。
私は、「英語」には詳しいが、「早期教育」については無知。
何を早期英語教育の目標にして、それを達成するためにどのように教材を選ぶのか?
闇雲に適当にやる!のではなく、そこはとにかく一定の合理性に基づいて実践しました。
ここから先を読んで頂ければ、我が家で実践した、ちょっと極端ともとれる合理的な早期英語教育を理解いただけると思います。
早期英語の価値を最大化
ここからが、どのように合理性を早期英語教育に適用したかについて。
早期英語を一つのシステムと捉え、システムのミッションとして「子供の利益を最大化」と設定します。
我が家の早期英語システムのミッション = 「子供の利益を最大化」
これを達成するために、プロセス(教材の選び方や学習スケジュール)があります。
要所要所でプロセスが適切かどうかを評価し、フィードバックする必要がありますので、「我が家の評価軸」を確立しておく必要があります。
横軸は、(親の手間や時間を含めた)コスト。
ここまでは、おそらく我が家だけでなく多くのご家庭で共通するところかもしれません。
しかし、ここから先が一気にバラつくと思います。
縦軸をどう取るか? です。
これを決定するにあたり、中学受験、高校受験、大学受験、入社時の資格、実践的な英語力、仕事で使えるビジネス英語等々、子供の色々な英語に関連する局面を想像します。
所詮私という1つの実体験に基づく意思決定となってしまうのですが、
今後「英語」が登場する全ての場面で、息子が「得」し続けるものは何か?
膨大な時間を注ぎ込む早期英語を実施した「便益」を取り返せるものは何か?
子供の進路や教育方針を考え抜いた結果、
我が家の場合は「小学生のうちに英検2級、できれば準1級」の達成の可能性を縦軸に取りました。
図1. 教材の組み合わせパターン
図1.は説明のために適当に項目を立ててパラメーターを割り振っていますが、英語アニメや英検過去問やら、世の中には色々な教材(Education Material)があります。
我が家の評価軸においては、左のニッコリマークに近い、すなわち「英検の合格率が上がる且つコストが低い」が最適な教材の組みわせなのです。
一般的に、これを「コスパが良い」と言います。
最適解(英検の合格率が上がる且つコストが低い)の集合群は黒点線に近い教材。難しい言葉で言うと、パレートフロント、パレート最適なんて言われたりもします。
「小学生のうちに英検2級、できれば準1級」をできるだけ低コストで達成するための学習や教材の組み合わせだけが、我が家にとっての最適解なのです。
我が家の場合は、「英語力+英語資格」は両方とも必要なのです。
片方がかけていてはダメなのです。
もちろん年齢が幼い幼稚園時代は、YOUTUBEの歌やお猿のジョージの絵本を用いたフォニックス習得や、お風呂で英会話(例 口頭英作文)をしながら子供の成長を待ちましたし(=下で説明するフォアキャストの期間)、コンテンツが同じような教材は「できるだけ楽しい方」を選びます。
しかし、いくら「楽しいもの」であっても、少なくとも間接的には英検の合格率に寄与しなければ選ばれません。
当然、正確な数字を持ってこの図をベースに教材を選んでいるわけではありませんが、日本語がある程度しっかり身についた息子に早期英語をやろうと考えた時、特に小学生以降は、教材を選んだりスケジュールを決めたりは、大体このようなメンタルモデルで意思決定を私がしていると思います。
またポイントは「我が家の場合」と言うところです。
上記はあくまで我が家の早期英語の方針。
この評価軸を何とするか?言い換えると、早期英語の目標を何とおくか?は、利害の主体しか決定できません。
自宅で親子が行う早期英語の利害の主体とは、学校の先生でもなく、塾の先生でもなく、友達でもなく、各ご家庭つまりその親子のみです。
ですので、他のご家庭の「見返りを期待しないのが早期教育」という考え方や「早期英語を通した別の能力(例:非認知能力)の習得」が目標ももちろん当たり前にリスペクトしています。
我が家の場合はこうなったというだけ。
当然、他人のご家庭の教育方針は首を突っ込めないものと理解しています。
トレードオフという考え方
合理的といえど、少し抽象的だし極端な考えでしたね。
ここから少しずつ具体的に「英語」に言及します。
我が家も、もちろんできることなら、ネイティブのお子さんのように自然で子供らしい語彙を使えるようになったり、または国内でもインターナショナルスクールなどに通うことにより、母語レベルで英語を話せるようになったらどれだけ良いことか。
ではなぜ私が、少し考え方が寂しいとも思われる「英検合格」に絞っているか?
それは私が、息子がネイティブレベルになるにはどうしても「時間」が足りないと考えているからです。
そのため、我が家の方針は「できることならネイティブレベルになって欲しいが、そこまでは求めない」です。
不可能かと言われたら、不可能ではないというが正しいと思うのですが、単純に、海外やインター組と自宅だけの英語学習組では、英語に触れる時間と密度(例:友達とのインタラクションにより感情(ハート)を動かしながら英語に触れる機会)に大きなギャップがあると考えます。
例えば、1日に英語に触れる時間を
としましょうか。
このギャップが月(x30)となり年(x365)となり、というように単純に考えても、これを取り返す「万能薬」みたいなものは、英語学習において多分ないのではないかと思います。
なので、色々犠牲にて息子を英語漬けにすれば話は別かもしれませんが、遊びや習い事など、他にも小学生はやるべきことがたくさんありますので、実際に無理でした。
ですので、我が家は英語ペラペラ信仰ではなくなりました。
全部を欲しがらないのです。
早期英語の価値であると自分が設定したものを得るために、トレードします。
(過去記事はこちら)
【お風呂で英語】口頭英作文をやってみよう【英検の前の下準備②】
上記の図1中の赤線部を再度ご覧ください。
例えば、息子が小学校に入学以降の教材の選び方について。
「子供むけの英単語」は、コストは安いが、英検2級の合格率に寄与しにくいという理由で教えていません。
具体的には、以下の写真(図2)をご覧ください。
難しい言葉で言うと、世の中に溢れる英語教材を、我が家の早期英語システムにおける「機能要件」と「非機能要件」に分類したと言うことになるかと思います。
図2. 非機能要件と判断され捨てられた英語図鑑の単語たち…
時間がないので捨てています。
犠牲を払っています。
寂しい考え方と思われるかもしれません。
ですが、我が家の早期英語の目的を達成するためです。
では、トレードオフで得た時間で何をするのか?
英検に合格に寄与する教材だけやります。
これは英検用の問題集だけでなく、フォニックス、システム教材、英語のアニメや幼少期まで、英検に直接的または間接的に寄与するものはなんでも含みます。
我が家はこれらを使って、英検に合格することを目標に学習を進めました。
ゴールベース型学習のリスク管理
この記事を読んでくださっている親御さんが感じる通り、「この学習法はリスクを伴っている」という自覚があります。
なぜなら、いわゆる「ゴールベース型学習」だからです。
我が家のように、あらかじめゴールを英検などとすると、うまく結果が出なかった時、親子で潰れる可能性があります。
実体験として早期英語をやっていて、結果が出ないということは往々にしてありました。
ここで、親の思考のフレキシビリティーが、リスク低減策として求められるところかと思います。
親のフレキシビリティ = ダウンキャストとフォアキャストの切り替えの早さ
ゴールを先に設定して、日々やることを決めていくダウンキャスト。
図3. ダウンキャストのイメージ
ゴールを初めにしっかり設定することで、それを達成するために今何をすれば良いのかを決定します。
これがうまくいかず行き詰まった時は、速攻で割り切ってできるところをやる(フォアキャスト)。
図4. フォアキャストのイメージ
具体的にゴールを設定せず、日々できることをコツコツやっておきます。
もはや、「最初からうちはフォアキャストでしたけど何か?」と言うくらいまで親が方針をひる返してしまって良いと思います。
実際に我が家もこのダウンキャスト的な学習を進める中で、英検2級の学習で行き詰まった時期がありました。
「早く英検2級に合格させてやりたい」でも「英検2級はまだまだ難しい」と言うジレンマです。
私は不器用なので、少しこちらの記事に書いたように、1ヶ月ほど早期英語教育で失敗をしています。
【挫折】小学2年生は英検2級の長文を読めない【受験対策をやってみた】
しかしそんな時は、子供むけの洋書多読、アメリカ版ゲーム、アニメの視聴など、フォアキャストでできることをコツコツ続け、子供の成長を気長に待ちました。
この期間にやる教材は、英検に直結はしないので、上記の図1.においては、縦軸の値が比較的に低い選択をしていることになりますが、それでも英語力自体は上がるので、少しずつ英検合格に間接的に貢献します。
また上記図2.でトレードオフで捨てた単語たちを拾っていく学習にもなりえます。
ここで、親は「ビールでも飲みながら子供の成長を気長に待ちますか」というくらい柔軟になる。
ふざているようですが、これがいかに大切か?
逆にこれができないと、ダウンキャスト型の学習においては、まず親が精神的に詰む可能性があると思います。
そしてこの親の精神状態が引き起こす最悪のケースが、子供の学習ペースを無視した教育虐待だと思います。
一生懸命早期教育をされている親御さんは、こんなワードを直視したくないと思います。
しかし、私は、中学受験で難関校を目指す場合も含め、「ダウンキャストによる教育」においては、このようなリスクが事実として存在すると思うので、あえて文章にしておきます。
他方、フォアキャスト型の学習の強みは、このようなリスクが比較的少ないという点が挙げられると考えます。
ですので、いくら親が気合を入れて目標を打ち立てて早期英語を始めたとしても、「気長に子供の成長を待つという期間」が間に挟まるかもしれません。
当初想定した早期英語のスケジュールが大幅に遅れるかもしれません。
しかしある時。
子供の頭脳が成長するタイミングが来るはずです。
我が家の場合は低学年が終わるタイミングでしたが、これが来たら、速攻でダウンキャストに切り替える。
この身代わりの早さと柔軟さはダウンキャスト型の早期英語をやるにあたり、リスク低減策として、とても大切だと思います。
これに関連して、大きなお世話を一言。
私は最近のSNS発信を見させていただく中で、「あまり目標を発信し過ぎない」というのも、一案かなと思います。
理由は、親であるご自分を追い込んでしまう可能性があるからです。
私自身が自分の英語力向上のために、Twitterを利用して「次回の〇〇で合格します」と宣言していた時期がありました。
これは大人の英語学習モチベーションという意味では、適度な刺激になるのでうまく活用することで独学の結果が出やすくなりました。
しかし、早期学習でSNSにおいて目標を公言してしまうと、周りの目がどうしても気になって、結果として失敗した時の逃げ場が無くなってしまう場合もあるかもしれません。
我が家は、このようなブログを書いている手前、受験前と受験後の結果を必ず報告するようにしていますが、もしかしたら、ご家庭によってはこっそり受験して、合格した時だけ報告するだけも精神的に良いかもしれません。
早期英語教育を何年間も続けていく中で、子供の状況に応じてこれを何度も何度も親が平気な顔をして切り替える。
ゴールベース型の早期英語はリスキーであること、それゆえに「子供がゴールが達成できなかった時に親がどのような精神状態を維持し子供に対してどのように振る舞うのか」について、親である私がいつも準備するようにしていました。
早期英語教育 – 5年間のまとめ-
我が家で実施可能な早期英語教育は大筋上記のようなコンセプトです。
かなり自分の考えを書いてしまいましたが、今回限りなのでお許しを。
それではここから、実際に使用した教材、費用、所要時間など事実ベースで早期英語をまとめておきます。
使用した教材
図5. 我が家の早期英語教材
無くなってしまった教材もありますが、この写真でおおよその量は把握して頂けるかと思います。
- 縦積みにしているものが、洋書や漫画などの「楽しい系」
- 横置きにしているものが、英検などの「お勉強系」
- 壁掛けにしている青いパッドが、進研ゼミチャレンジイングリッシュの「システム系」
この中には、洋書のように全部読みきったと言うものから、全部やりきれなかった問題集や過去問、遠目で眺めた程度の語源図鑑やパス単など、色々含まれています。
費用
表1. 早期英語教材の費用合計
教材費だけで大体14万円くらいです。
これに英検試験本番を各級で受験しているので受験費用など、全て込み込みで20万円くらいでした。
我が家が費やしたコストは一般的には安いと認識していますが、この数字を示す理由は、「安いからすごい」ではなく、費用をかけなくてもそれなりにできる例もあるという点。
本当に無視できるほど微力ですが、こういう例をどんどん出していかないと、競争原理が働かず、早期英語マーケットでは高額な商品やサービスによる独占状態が続くのでは?とも思います。
注意点としては、この合計費用は、instrument(モノ)の費用であり、agent(人)である私が費やした費用が含まれておりません。
では、仮に私のコストを時給1000円とした場合、
人件費: 1000円 x 1000時間(5年3ヶ月)=100万円
英語力0から英検2級合格まで、全部込み込みで120万円かかっていることになります。
さらに、私はたまたま英語学習に多くの時間を費やしてきましたので、本屋さんで教材を見れば「大体このようなことが書いてある」と言うことがわかります。
しかし、特に英語に興味がない親御さんも当然いらっしゃるはずで(むしろ、そちらが多数派な気もしますが)、英語教材を選ぶのに時間がかかったり、子供に合わない教材を選んでしまったり、どんどんコストがかさむ方向にいく可能性もあります。
このブログは我が家と教育方針や環境が同じご家庭が教材の選択などの参考になるように書いていますが、この記事の冒頭で書いた「高価なシステム教材を選んでいたかも」というのは、「モノのコストを上げることにより、ヒトのEFFORTを下げる」という選択も、それはそれで最適と考えるためです。
私の場合は、自宅で行う早期英語は一つの親子のコミュニケーションとも捉えているため、私のエフォートはコストに含まれないという感覚です。
こういうツッコミがきそうですが、確かにそれはあると思います。
この記事が早期英語をミスリードしないためにあえて厳しい書き方をしますが、instrument(モノ)のコストを下げたいなら、agent(人)である親が子供に教える内容を勉強したり、子供に付き添ったりと、多くの時間を費やす必要があると考えています。
英語に触れた時間
結構緻密に計算してみました。
所要時間 = 約1000時間(:1日平均30分 x 5年3ヶ月)
一時期は、私の仕事が忙しすぎて全く早期英語をやらない時期もあったり、逆に、英検2級の学習では過去問をやったので、週末土日どちらかに2時間(過去問1回分)もやったり。
断続的ではありますが、上記の時間が総所要時間です。
あくまで「これくらいはやった」という、おおよその数字ですので、ご参考まで。
外国語としての学習から入ったが…
ここからは、具体的な学習の手順について。
ブログの欄外にもこれまでの受験歴を書いていますがざっくりまとめておきます。
- 年中:ABCソング、フォニックス、口頭英作文
- 年長:口頭英作文、システム教材、英検5級問題集、英検4級問題集
- 小1:システム教材、英検3級問題集、会話型単語帳1冊(中学英語)、英検準2級問題集
- 小2:オンライン英会話、洋書多読、会話型単語帳1冊(高校英語)、英文法(中学英語)
- 小3:オンライン英会話、洋書多読、海外版ゲーム、海外版アニメ、英検2級問題集
ざっくり時系列でまとめるとこんなか感じかと思います。(詳しくは過去記事参照)
息子は、前述の通り、スタートの時点ですでに年中(4歳半ば)を過ぎていましたので、思考は全て日本語でした。
子供なりに色々なことを考え、その処理を日本語で行っていました。
そのため、最初の英語学習(ABCソング)は外国語としての学習として入りました。
しかし、英検4級あたり(小1になる前あたり)から、英語の長文を読む際に、「英語を英語の語順のまま理解」していることに気づきました。
私は、早期英語をやる中で、これこそが最大のメリットだと感じています。
これができると、「読み・聞き」と「書く・話す」の両方において、スピードが早いです。
なお、私の以下の記事で書かせてもらったように
大人でも訓練すればこれが可能になりますが、「英語を英語の語順のまま理解」は、タイトルからもわかるように、一般的な日本人の大人にとってはかなり高度なテクニックです。
これができるようになれば、あとは単語や文法などビジネス英語を勉強すれば、子供でもTOEIC900獲得可能と考えています。
この技術を早期に習得できた時点で早期英語をやっていて良かったと思いました。
我が家は早期英語後発組ですが、もしかしたらこの時点で幼少期から英語教育をされていたお子さんに追いつけはしませんが、近づけたのかなと思いました。
ですので、幼い時期に英語教育を実施できなかったと悲観的になる必要は決してないと思います。
もしかしたらネイティブを追い越せはしないかもしれませんが、十分渡り合うだけの英語力を身につけることは可能かと思います。
極論、大人から英語学習を始めたとしてもです。
英語力について
では、英検をベースに学習を進めてきた息子の英語力について。
色々賛否がありそうですが、以下英検2級を持つ3者の真の英語力を比較した時、
ネイティブのお子さん >>> 息子 >>>>> 普通の高校生(高校生の頃の私)
という実感があります。
ネイティブ等のお子さんには敵いません
まず、自然な英語環境に属すネイティブ等のお子さんと比較して、息子の場合は、リスニング力が低いと感じます。
これは、子供むけのアニメを見たときに、ゆっくりスピードのものは理解できるのですが、早いスピードや子供独特のスラングが頻発する際は、理解できなくなります。
もちろん視覚情報を頼りに、意味を理解することはできますが、
「映像を完全に消す、かつ、スピードが早いネイティブ音声だけ聞く」場合に、内容を理解できないケースがあります。
またスピーキングも、これまで英語で話した量が少ないこともあり、ネイティブ等のお子さんと比較すると弱いと感じます。
一方、リーディングとライティングは、ネイティブ等のお子さんと比較しても、スピードは若干遅いと思いますが、そんなに劣らない印象です。
高校生の頃の私よりは上な印象
一方、普通の日本で英語教育を受けた高校生(なみすけ高校生ver.)と比較すると、英語力は高いと感じます。
具体的には、子供むけの洋書を読むスピードが圧倒的に早いこと、耳が良いこと、英語で色々な話題についてスピード感を持って説明できること等です。
これが可能なのは、「英語を英語の語順で考える」思考回路が出来上がっているためと考えています。(いわゆる英語脳の形成)
「英検学習+ネイティブ素材」で学習したの息子の発話
本来は英語音声を掲載したいところですが、最近は物騒なのでそちらは控えます。
昔どなたかが仰っていたか、何かの書籍に書いてあったか忘れたのですが、「外国語の発話」を「コップと水」に例えた表現がありました。
素晴らしい表現だなと思いました。
自然な学習を通して行うインプットやインプットがもたらす発見(水)は、どんどんコップに注がれます。
図6. ネイティブのお子さん
それが一杯になると、コップとの淵から満遍なく自然に水が溢れ出し、その現象が英語を発話すると例えたモノです。
本来目指したいのは、こちらかと思います。
一方、大人が成人後頑張って英語を勉強した場合、発話力は、ポンプ(例 文法などのメソッド)を与えて機械的に水を引っ張り出していることに相当すると考えています。
図7. 大人の英語学習(私の例)
私自身が国内で英語学習を一生懸命6年間実践した経験があります。
TOEIC800点から国内独学を始めて約6年が経過。
英語のプロ達によって書かれた書籍が血肉となり、資格合格を追いかけることで、ようやく自分の英語に自信がつきました。
著者の方々、ありがとうございました。
今日から、英語を手段として使っていくフェーズに入ります。 pic.twitter.com/amTlOfsh4B
— なみすけ85 (@namisuke85) December 19, 2019
英検は実用として作られているので、頻出語彙や文法など、英語の実用において一般的な頻度に基づき、作成されます。
これを通して英語をインプットし、独り言英会話やオンライン英会話を用いてその流路を固めれば、フォーマルな英語表現は身につきますので、ビジネス等で活躍する英語を流暢に話す力は十分手に入ります。
私の場合は、自分が話したい研究、仕事での交渉、技術的な領域においては、一定の表現(文法の使い方)を体に染み込ませることで、流暢に話せるようになりました。
しかし、図6.のネイティブ流と比較して発話の流路が少ない通り、例えば子供向けのアニメを見ながらたわいも無い会話において、ネイティブと発話力が同じか?と言われると、それは嘘になります。
第三に、我が家で行った「英検学習+ネイティブ素材」はイメージは以下です。
図8. 息子の英語発話力
本当は図6.を目指したいのですが、どうしても、我が家の場合インプットの量(英語に費やす時間)を確保できません。
予めメソッド(例 文法の使い方)を教え、それをネイティブ素材を通して使わせることにより、一定の水を引っ張り出す。
それに加え、ネイティブ素材やオンライン英会話を活用することによって、流路を固める。
なので、その自分の中で構築した型を利用するときは流暢に話せます。
それに加えて、少し説明がつきませんが、一般的な日本人英語学習者である私(図7.)よりもプラスアルファがあると感じています。
具体的には、もう少し発話スピードが早くナチュラルな時があります。(図8.ポンプによる流路以外の場所から水が少し溢れるイメージ)
しかしやはり、上述の通り、ある意味子供らしい単語やスラング表現を捨てていますので、図6.のようにネイティブのお子さんのように満遍なく均等に自然に話せるか?というと、それは現状ではできないと感じています。
まとめ
ブログのタイトルを、「極端に合理的な早期英語をやってみた」くらいのタイトルにしても良かったかもしれませんね。
この5年間色々なことを振り返ると、ついつい長文を書いてしまいました。
できれば英語力はネイティブ並みで英検も対策なしで合格できるレベルを目指したい。
しかし、それを目指すには、経済的な負担や時間をとって環境を変えるなど、我が家においては実現できませんでした。
ただ、そこで悲観的になるのではなく、「1人の日本人英語ユーザーとして、ぎこちないところもあるが、読書を楽しめる、アニメやゲームを楽しめる、自分の意見を理由でもって説明できる。そしてその英語力を証明する資格を得る。」を目指す方針に切り替えました。
親として、私が早期英語を始めたのは私が英語が好きだったというのもありますが、もし「子供が得をするか?」という視点で、英語より算数の方が早期教育として大切で子供に興味があった場合、おそらく私は、早期教育として、算数を選んでいたと思います。
ですので、子供の特性なども考慮しつつ、我が家が定める「価値」を高めるために、どの選択が良いかの意思決定をひたすら繰り返した結果、英検をベースとした早期英語とそれを達成するためのパスに辿り着いたというだけの話。
またプロセスについても、ダウンキャストで行くのか、フォアキャストで行くのか、または我が家のようにダウンキャスト+フォアキャスト変動型で行くのか。
それぞれ家庭環境や事情が異なるが故に、「早期英語学習」というテーマでさえも、そもそも目標(ゴール)さえ違う場合があります。
また当ブログの注意点として、息子に効いたインプットが、英語に興味がない娘にあまり効かないように、兄弟間でも個人差があります。
ですので、その根底にあるミッション「子供の利益の最大化」の部分では、多くのご家庭と共通している点と思いつつ、当ブログが「一例に留まる」と言うのは、このような早期学習の不確実性に基づくものです。
所詮、無数にある早期英語教育の事例の1つに過ぎません。
いつか、コストを考えながら外国語を必死に学ぶ我が家の事例のようではなく、本当に良い教材やサービスに幼少期から手軽にアクセスでできるようになる時代がくれば良いな、と心から思います。
次回からまた、英検準1級に向けた記事を書いていきますが、いつも通り、学習教材(インプット)と学習効果や試験結果(アウトプット)にフォーカスしますので、引き続きよろしくお願いします。