上級者への道

英検1級(筆記)【前編】

こんにちは、なみすけ85です。

TOEIC900点を突破した方へ。まずはおめでとうございます!

TOEIC900点突破とは、日々の不断の努力があっての結果だと思います。特に会社員や主婦の皆様においては、日常の時間を切り詰めて頑張って勝ち取った結果です。旨い酒と肉のご褒美くらいは当然許されるはずですので、一区切りということで思う存分ご自分を労ってみてはいかがでしょうか。

さて、TOEIC900を突破した時点で、一般企業向けの履歴書やエントリーシートには自分の強みとして英語力を十分アピールすることができます。国内の就職や転職ではすでにこの時点でアドバンテージを楽しめるはずです。また、英語資格としては一段落とも考えることができます。そのため、TOEIC900で英語資格の学習を離脱する人も大勢いるというのも事実。

ただ、ここで試験勉強を止めるのは非常に勿体無い。というのも、これから英検1級1次試験のために学んでいく単語は、CNN,BBC,TIMEをはじめ、多くの洋画であたりまえのように出現するからです。

否定的な言い方をすると、英検1級程度の語彙力がなければ、このような英語媒体を通した情報収集を楽しむ事ができません。TOEIC900突破で身に付けた英語を語順通り理解する能力と単語力で断片的には理解できるでしょうが、”Enjoy”できる域には達せないはず。(筆者体験上)

英語を楽しむためには、TOEIC900程度は通過点と考えさらに上を目指す必要があります。この点については、TOEIC900を突破してすでに英語感を磨いた皆様であれば、薄々気づいているはずと思われます。

これからいかなる形であっても、英語に携わっていく限り、将来いつかきっと「英検1級までやっておけばよかったなー」となります。その際、また英語を一から勉強しなければいけなくなるのは、やはり効率が悪いでしょう。

それでは、TOEIC900を取ってから英検1級(筆記)に合格するために最低限やらなければいけないことを詰め込みます。

TOEICとの差分を知る

語彙力。

まず圧倒的にこれ。

私がTOEICを受験すると知らない単語はほとんどありません。(あっても1個くらいで、試験が終わってもその単語を覚えているくらい印象が強い。)

しかし、英検1級の語彙問題となると、実際結構あります。(最初の語彙問題だけで、2個か3個くらいは知らないのが混じっている。)

おそらくTOEIC900取りたてレベルの方だと、語彙問題の選択肢において、知っている単語が一個もない可能性があります。しかし逆に言うと、単語力さえしっかりアップさせれば、他の受験生に差をつけることができます。

次に穴埋め、読解、リスニングに関して。やはりTOEICより難易度は高いです。しかし、「英語で情報を得る生活」を続けていれば、特別な訓練をする必要ありません。(ここではTOEIC900みたいに模試を解きまくるという勉強は提案しない。)

※ なお、英検1級には200単語程度のライティングが含まれています。留学経験のある方はペーパーの提出等で培った文章構成力を発揮することができますが、英語を書く機会がない方にとっては一からの学習になります。これについては後にテンプレートを載せます。記事が長くなり過ぎるので、別記事で対応予定。

英検1級への態度

英検1級合格を目指すにあたり、何より重要なのが試験に臨む態度。

すなわち「学習を継続しつつ合格の時が来るのを待つ」という姿勢。

最初の25問の語彙問題では、どれだけ自分のやってきた単語が出るかというのが得点に大きく影響します。長文読解では、専門的でつっこんだ内容となるため、どれだけそのトピックについて親しみがあるかというのも理解を左右します。

そのため、不合格でも決して英語学習の意欲を失っていてはいけません。続けていれば必ずその時が来ます。(その瞬間ときたらもう絶頂である。)

例えば、英検1級合格者の体験談で見かけたのが、

「私は英語教師として自身の英語力を生徒に証明できる英検一級を取得したく、数十回1次試験に落ちましたが、やっとこのたび合格することができました!」 (XX県在住58歳Aさん)

↑引退寸前やないかいっ!といった具合です。

要はみんなゆっくり気長に挑戦しています。どんなに英語音痴の人でも(失礼)学習を続けるうちに英語力が上がり、自分にフィットした問題がでた時に意外とあっさり合格できます。

最後に、英検1級に関する一般的なステレオタイプの誤解を解いておきます。まず「帰国子女や東京外語大卒、上智(英語)卒といったいわゆる英語エリートでなければ英検1級はとれない」というのは違います。

確かに試験会場にはハーフや外人の方がちらほらいるし、アナウンサーや俳優等の有名人で英検1級取得者のほとんどは帰国子女という肩書を持っています。しかし、私はただの平凡な大学の工学部卒の理系サラリーマン。頭も学歴も凡人。TOEIC800点台からしばらくの間全く英語力に向上が見られない日々が続いたことがそれを証明しています。それでも最終的には英検1級1次試験に合格する実力を身に付けることができるのです。

「気長にポジティブに」を維持できる人は誰でも、英検1級に合格することができる、と断言しておきます。

TOEIC900レベルなんて所詮こんなもん…

当時の私の実力。

TOEIC900を取得した後、「次は英検1級だ!」と決意し、勉強をスタートしました。当時の心境は、「TOEIC900を取る実力があるのだから、また英検用の問題集で対策すればすぐ受かるだろう」、「英検1級をTOEICに換算すると900前半とネット記事に書いてあるもの見かけたし、単語を少し補強するだけでいけるだろう」というもの。

しかし現実はそう甘くなく。

過去問を数回本気で解いてみたが結果は惨敗。1つも合格点に届かず、正答率はせいぜい6割くらいで、良く見積もってぎりぎり不合格Aくらい。そして、ここまでTOEIC900対策でやってきた様な「問題集や過去問をこなす」という学習法では、ほとんど点数の向上が見られませんでした。

なぜか?

それは、英検1級は形式的なテスト対策が効かない試験だから、です。

いくら過去問をやっても、実践英語の練習にはあまりならないので点数が伸びません。問題への慣れや時間配分はある程度大事である一方、豊富な語彙力に加え、根幹となる実践的な英語力がなければ絶対合格できません。そのため、模試を解きまくる等の、TOEIC900学習法の延長線上の机上学習では、その実践英語力が身につかず、スコアが伸びませんでした。

これから英検1級を目指すという方は、過去問や問題集なりで、まず英検1級のレベルを体感してください。

すでにTOEIC900を余裕で? 突破した皆さんには英語の素養というものが十分あると言えます。そして皆様も少なからず、英語力において少なからず自信的なものをお持ちであるはず。 それは、スコアという事実に裏付けられた努力の結果であるので、その自信はある意味合理的なもの。

しかし、ここでその自信が一度崩壊することになるでしょう。「英検1級はTOEICとは別次元…」という感想を抱かれると予想します。「ドン引き」という言葉がしっくりくるかもしれません。

問題点の抽出

異次元的に難しい英検1級(筆記)。

それでも心配する必要はありません。

どんなに難しい試験でも、原因分析と持続的な対策ができれば必ず乗り超えられます。

前談が長くなってしまったが、ここからが英語力について。

それでは早速、難しいと感じる原因分析を行ってみましょう。勝手な推測で恐縮ですが、各設問種類ごとの問題点を洗い出すと、大体こんな感じなったのでは?と予想します。

語彙問題:見たことのある単語が選択肢に含まれているものの、ほとんど選択肢の単語の意味が分からない。

穴埋め及び読解問題:選択肢を残り2つくらいまで絞れるが、確信をもってfinal answerを選べない。時間も足りない。

リスニング問題:読まれる英文が長く内容がアカデミックで難解。答えを選ぶのにも時間がかかり、正答率が7割を下回る。

それでは、上記3つの問題点に対し、最低限何をやれば良いかを書いていきます。

【語彙問題】 →   信頼できる単語帳を一冊やりこむ

キクタンでもパスタンでもなんでも良いですが、英検1級用の一冊を完璧にすること。

TOEIC900で単語帳を使っていた方は、それと同じシリーズにすると、学習に連続性が出て効率的。(例えば、「キクタンTOEIC990」→「キクタン英検1級」)いくつかの単語が重複しているため、実際は新たにまるまる一冊丸暗記ということになりません。

とにかく満遍なく英検1級の必修単語を習得します。何冊も中途半端に手を出す必要はなく、自分にあった英検1級用の単語帳1冊をベースに語彙を増やしていけば、ボキャブラリーの力が物を言う英検1級においても十分通用します。

ここで一つ語彙量の定着を確実にするコツについて。

それは、以下で紹介する「実践教材と単語帳の行き来」をすること。

単語帳でざっとどんな単語を覚えなくてはならないのかを頭に入れたうえで実践英語に触れると、「この単語は単語帳で見たことがある。」という風に思い出します。単語帳で見た単語と実際に現場で使われる単語とをリンクすることで、単語が強く印象付けられ記憶でき、かつ後に学習していく発信英語の際にも瞬時に使用できるようになります。

ちなみに、この方法で習得していく語彙力で、実際の試験でだいたいどれくらいの正答率になるのかが気になるところかと。私が過去問と本番で試した限り、最終的に語彙問題25問の70%、約17問くらいを安定して取る実力が身につきました。

「ギリギリじゃないか…」と思った人もいるかもしれませんが、これを、最低20問以上正解を目指すとなると、勉強のほとんどをボキャビルに突っ込まなくてはなりません。読解やリスニングの能力向上にあてる時間とのバランスを考慮すると、難しいと言われる単語問題で安定して七割取れれば、とりあえず十分と言えます。

なお、この先国連英検特A級を目指す方へ。

国連英検特A級では、アルクの「SVL 究極の英単語 Vol.4 最上級の3000語」が必修英単語帳になります。そのため、国連英検特A級を目指す方には、単語帳の連続性の点から以下単語帳に取り掛かることをお勧めします。

上記が終われば、こちらも押さえておくと完璧です。国連英検特A級の単語学習がかなり楽になります。

どちらも携帯アプリに対応していますので、通勤通学中など、とても効率的にボキャビルができます。

【穴埋め及び読解問題】 →   TIMEの購読

「TIME」を読む。

これだけ。

理由は3つあります。

まず、精読、つまり文章の細かい部分まで理解する力を向上させることができます。この能力がなければ、TIMEは意味が分からず楽しめないため、理解しようと必死に英文を読み込みます。このプロセスこそ精読力を向上させるのに不可欠です。

英検1級の穴埋めや読解問題を解いて、選択肢を絞り込めなかった理由は、単純に、難しい文章を早く正確に読む力がないから。TOEIC程度の長文を早く読めても不十分ということです。仮に選択肢四つを二つに絞り込めたとしても、それでは足りていません。

次にTIMEの記事には英検1級レベルの単語が当たり前のように使われており、上述の「実践英語と単語帳の行き来」が可能になります。さらに、ここで自然と覚えた英語表現、データ、及び背景情報は、後のライティングや面接試験の時にそのまま使うことができます。

最後に、ここでも「度胸」がつきます。TOEIC900の時にも少し触れましたが、リラックスしてテストに挑めれば、無駄な思考がなくなり、集中して効率的に問題を解くことができます。実際に英語で情報を仕入れる習慣がつくことで、本番で多少アカデミックが内容の問題が出ても面喰うことがなくなるでしょう。

英検1級を取得できれば、ある程度TIMEを楽しんで読めるレベルになるというのは事実ですが、TIMEの内容は英検1級の読解問題よりも難しいです。

なお、TIMEは一冊ごと購入するよりも、年契約等の定期購読をするのが圧倒的に価格がリーズナブル(価格が半分以下になる)なのでおすすめ。(すぐに1次試験に受かってしまったとしても、後々使い道がたくさんありますので心配無用。)

もちろんTIMEでなくても、ECONOMIST等知識層ネイティブ向けの洋書であれば問題ありません。

英検1級の読解対策はこれだけです。

TIMEが難しすぎると感じるなら、まずは英字新聞

上記のように、私は力ずくで「TIME一本」で筆記試験を乗り切ったのですが、The Japan Times やThe New York Timesなど、英字新聞も活用すれば良かったとも感じています。

英字新聞は、英検1級や国連英検特A級の必修単語のオンパレードであるのに加え、当時の私の記事の理解力は以下のような感じだったと記憶しています。

次に来る文章の内容を何となく推測できる英字新聞を使えば、知らない単語に遭遇した際に、その単語の意味を何となく予測できる確率が高まります。難解なTIMEと比べて。このプロセスは、単語を暗記していく過程でとても大切です。

よって、単語学習目的なら英字新聞もうまく活用すると良いと思われます。

ただ、試験では難解な文構造の理解も試されるので、普段は英字新聞、週末はTIMEやECONOMIST、など学習のバランスが大切。

もちろん私の様に「TIME一本!」と行くのもシンプルで良いでしょう。

TIME購読の約束事3か条

TOEIC900を取り立ての方が、TIMEを読む際に必ず守って欲しい3つの約束事があります。

① 英語の語順のまま読むこと

特に時間を気にして読む必要はありませんが、TOEIC900の時と同様、必ず英語の語順のまま左から右へ読むこと。内容がTOEICよりも難しいので、語順のまま読むのにも戸惑うかもしれません。しかし、内容を楽しもうとこの作業を続けていると、自然と難しい内容の文章でも頭から正確に読めるようになります。実際、世界で幅広く読まれているだけあって、内容は経済から文化まで多岐にわたり、非常に興味深いものがです。

② 知らない単語とは適度に付き合うこと

読み進める中で、多くの未知の単語に遭遇するかと思います。本来であれば、全部調べて暗記するというのが理想ですが、TOEIC900レベルの日本人がこれをやろうと思うとかなり非効率的。モチベーションを落とさないことが重要なので、

  • どうしても知りたい単語
  • 見たことがある単語
  • 何度も多用されていて重要そうな単語

 

という観点で、記事の中のわからない単語にアンダーラインします。それで一冊読み終わった後に意味を調べます。あまりに膨大になると復習にも時間がかかるので、一冊のTIMEで調べる単語の量は20~30個くらい(大学ノート半ページ分くらい)が理想。(人によりけりだが。)

また知らない単語を調べる際には、オンライン辞書を使うことをおすすめします。

特にアルクの英辞郎 on the WEB Proは、辞書として意味を調べた単語にチェックを入れると、単語がアルファベット順に並べ替えられて、自作単語帳が同時に作られます。

これを学習の初期段階に導入しておくと、生涯にわたり知らない単語が音声付きで蓄積され続けるデータベースができます。(英検1級を取得した今でも、月300円程度支払って仕事とプライベート両方で使い、未知語をどんどん登録しています。)

私が英検1級の学習をしていた時代は、それこそ単語を辞書で調べ、ノートに書き写していました。これでは、書くのに疲れるし、机が必要なので場所を選ぶし、日本語を書いているときは意味がないし、と時間の無駄。英検1級は単語学習が肝なので、ここの効率化には十分注意を払いたいところです。

一度に単語を書き取り過ぎて挫折しそうになった筆者のノート

③ 読む量を制限すること

定期購読すれば大体毎週一冊届く事になります。一週間に一冊全部読むのには非常に時間がかかるので、最初の目標は全体の半分、もしくは、最低三分の一くらいとしておくのが一案。読むのが嫌になることだけは避けなければならないので、毎週届くのが楽しみになる範囲の量に制限しておくと良いです。

私の場合、毎日読んで約2ヶ月くらいたった頃。

当たり前の様にTIMEの記事を楽しんでいることに気付きました。そして試しに英検1級の穴埋め読解の過去問を解いてみると、ここで初めて7割を超える正答率が出ました。TIMEの購読は英検1級1次に合格するまで毎日行う必要があるが、意外と早い段階でその効果に気づくことになると思われます。

【リスニング問題】 →   ネットラジオでシャドーイング

無料のネットラジオ番組を多聴+シャドーイングだけで、十分な対策となります。

私が当時使っていたのは「WNYC」というアメリカで最も聞かれている公共ラジオの一つで、数多くの番組を放送しています。

番組の内容は、BBC news, TED talk, NPR News, The Jonathan Channel, Studio 360, Brian Lehrer Show等ここで紹介しきれないくらい実に様々で、いろいろな語り手の英語を聞くことができます。

またこの番組のメリットは、読まれる英文が洗練されているところ。スラングがほとんど使われず、英検1級1次のリスニングで流れる様な高度な内容で、非常に良いお手本となります。

さらにCMがほとんどありません。何度も同じCMが流れて時間を無駄にすることなく、ひたすら良い英語のシャワーを浴びることができます。

IPhoneがあれば、WNYCのアプリをダウンロードして無料で聞くことができます。携帯アプリは音声のみなので容量が小さく、電波携帯電話のネットワークで十分ですので、まさにどこでも英語を聞ける環境を作り出せます。

またこのあたりから、お金をかけなくても英語が学習できます。(日本の参考書ではなく、本場の英語のみで学習できる。)これこそが、英語上級者の特権です。私は今でもネットラジオを通勤時に聞いており、英語力をキープしています。

最初は早すぎて聞き取れないと思います。少なくともTOEICのリスニングよりは圧倒的に早いが、これがナチュラルなスピードです。聞き取れないものは必ずシャドーイング。私は、英検1級のリスニング対策はこれしかやらなかったが、通学通勤時等に毎日聞いていれば、英検1級のリスニングなんて怖くありません。

なお、最近ではpodcastでもBBC等、様々な種類の英語番組を視聴することができます。こちらもおすすめ。

とにかく自分に合ったメディアで、無料の英語視聴環境を作りあげることが重要。あとは、暇さえあれば、それを聴く習慣をつければ良いだけです。

まとめ

難関とされる英検1級(筆記)の学習法。無駄を削ぎ落として書けば、たったこれだけです。

もちろん、それぞれの項目を時間をかけて自分の中に刷り込み、昇華させていく必要はありますが、上記で最低限やらなければいけないことの全体像が見えたかと思います。

それでは次回で補足的な情報を補って、英検1級(筆記)の学習法紹介は終わりです。

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なみすけ85
会社員(33)。2児の父。趣味でブログ運営。英検1級、TOEIC満点、国連英検特A級を保有。学生時代は臨海セミナー、栄光ゼミナール、家庭教師のトライで英語指導の経験はあるが、バイトだったので指導力は所詮アマチュアの域。