こんにちは、なみすけ85です。 先ほどのこのようなツイートをしました。
TIMEの記事。単語数が少ない「見出し」にも普通にtumultuousが出てくるのを見て、ネイティブと同じメディアを楽しみたい英語人には、SVL12000程度の習得は前提条件であることを再認識。 pic.twitter.com/dMacfbKStQ
— なみすけ85 (@namisuke85) October 13, 2019
単なる持論ですが、「英語をもっともっと楽しんでやろう!」という方には、ボキャビルはとても大切。
自分への戒めの意味も込めて、「国内の単語帳に掲載される程度のものは、全部制覇しておきたい」とここで宣言しておきます。
では、実際にどの単語帳を選べば良いのか? 国内の書店には実に様々な種類の英単語帳が存在し、中でも「最強」や「究極」をうたった高難易度の単語帳が複数あります。
しかし、それぞれの出版社や著者が違うことから、結局どれが難易度No.1の単語帳かが見えにくいです。 最近では、「16000語レベル」や「20000語レベル」といった、語彙力を数値的に表したタイトルの単語帳が見られますが、その数値にもやはりばらつきがある様に感じます。
例えば、ある単語帳で20000語レベルとされている単語は、他の書籍においては17000語や15000語レベルとして収録されていたり、難易度の基準が一定でない場合が散見されます。
今回は、完全に独断による評価ではありますが、単語レベルが国内最高峰の試験である国連英検特A級の合格者である私が、一般的に高難易度とされる単語帳をいくつか実際にやってみて各単語帳の難易度をレビューしてみました。
なお、ツイッターにてリクエストがありましたので、記事の最後に、「ではその難語達をどうやって覚えているのか?」私のボキャビルの仕方にも少し触れたいと思います。
Contents
最高レベルの英単語帳を求めて
英検1級を取得した後、「更なるボキャビルのためにどの単語帳をやれば良いか?」とか「国連英検特A級合格を目指すための単語帳はどれが良いか?」という様に悩む英語上級者は少なくないと思います。
これが問題である理由は、いうまでもなく、自分が求める難易度の単語帳に巡り会えなければ、せっかく時間と労力を費やして頑張るボキャビルの効率が低減するからです。 単語とは基本的に、「知っているか・知らないか」だけです。
そのためこれまでどの様な英語や単語に触れてきたかによって、各個人における単語の難易度というものは異なります。
よって、市販の単語帳を完全に難易度順で並べることは不可能ですが、最高レベルの英単語帳を探す方のための、「出版社や著者等の垣根を超えたジャンル横断的な指標みたいなもの」は欲しいところです。
単語帳と単語リスト
本記事で取り上げる「単語帳」の定義をまず確認しておきます。
2. 音声がある
3. 例文がある
上記3つ全てがあるものを単語帳とします。
「耳で覚え、使い方を覚え」することで、単語帳は、それ単体でも単語を覚えやすい構成となっています。
一方、「単語リスト」。
これは「単語帳」と差別化のために私が勝手に命名しているだけですが、上記2、3の片方または両方を含まないものとします。
「単語リスト」のようなものを含めて検討すると、極論ですが、「辞書が最強」ということになってしまうので、それを除外する目的も兼ねて、単語帳の定義を明確にしました。
難易度レビューの前提
さて、本題に入っていきます。
日本人が第一外国語として英語を習得したと評価される資格は、一般に「英検1級」や「TOEIC990」の取得です。
級やスコアの観点からは文句の付けようがありません。
しかし、これらに登場する単語は国内においては難易度は高いとされるが、TIMEやECONOMISTなどの英文雑誌やCNNやBBCといった海外のニュースが楽しめるという観点、つまり英語母国語基準の視点からは、基本中の基本レベルです。
否定的な言い方をすると、これらの単語を知らずして、海外発のメディアは、話のディテールが分からず、なかなか楽しめないはずです。(せいぜい、分かるところがある、聞き取れるところがある、といったレベルではないでしょうか。)
過去に私も実際にお世話になった単語帳達ではありますが、残念ながらこれらは「最高難易度の単語帳」を称するにはレベルが低いと言わざるを得ません。
よって以下の様なレベルの単語帳は、評価対象から除外することを前提とします。
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実際にやってみた
エクセル等の電子データで収録単語を全てまとめることができれば、比較は容易ですが、紙媒体の単語を数千個をPCに打ち込むエネルギーは残念ながら私にはありません。
そのため、「どれが一番難しい単語帳なのか?」を決めるためには、収録される単語のほとんどをまず私が暗記しなくてはなりません。
始めに、私が所有する以下の単語帳に収録される単語を頭に叩き込みました。
私の場合は、国連英検特A級を目指して勉強した際に一通り暗記したはずですが、普段出会わない単語は結構な確率で忘れていました。(やはり単語帳は定期的に確認しないとダメである。)
なんとか1日2〜3時間単語帳を繰り返し眺めて、掲載される単語をほとんど全て頭に詰め込み直すことができました。
【1冊目】
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まずは定番のアルク「究極の英単語」シリーズから、「超上級の3000語」。中には比較的難易度の高くない英検1級レベルの単語も多数収録されている。しかし、収録語彙数が多いため、意外と知らない(忘れやすい)単語が多く含まれている様に感じた。
【2冊目】
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こちらもアルク「究極の英単語」シリーズから、「極上の1000語」。在米20年の英語のエキスパートが出会った未知の単語を掲載したものである。語源や由来に面白いものが多い印象。中には、「普通に英検1級レベルでは?」という単語もいくつかあるが、宣伝文句通りよく海外の雑誌で目にするものが多い。上記の「超上級の3000語」との互換性は取れていない。(重複する単語が収録されている。)
【3冊目】
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かの有名な英語仙人、植田一三先生の単語帳「Vocaburaly 1000」。レベルは17000語としており、合計1000語収録。左ページは日本語訳が付いておらず、「英英単語帳」である。右ページは定着を試す小テストが付いている。毎日20単語 X 50日で完成である。
【4冊目】
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TOEFLの単語帳から一冊。元ETSのvice presidentであるアメリカ人の著者によって作られた「ネイティブな一冊」。「必修編」と「上級編」の2冊あるうちの、「上級編」である。TOEFL単語だけあって生物や医療など分野別の専門単語もあるが、一般に使用される単語においても難易度が高いものが多くある。2500単語収録。
【ここからは、上記の単語を頭に詰め込んだ状態で書店で確認した。(上記の単語帳をやり終えた後に、買う価値を感じることできませんでした。)】
【5冊目】
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植田一三先生監修の一冊。レベルは16000語とあるが、これまで上記の単語帳を単語を知っている状態で挑むと、さほど新しい単語は登場せず、残念ながら難易度の高さはあまり感じられない。様々テーマ毎によくまとめられており、工夫がされているが、上記の「Vocaburaly 1000」の方が、構成がシンプルで使いやすい様に感じた。2018年12月に発売された新しい単語帳。
【6冊目】
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信頼のジャパンタイムズが出版している「英語を英語で理解する英英英単語」。「上級編」と「超上級編」があるが、もちろん「超上級編」をチョイス。「20000語レベル」をうたっているので期待が高まる。まとめ方の綺麗さや見易さは、流石のジャパンタイムズという印象。ただ、「20000語レベルか?」と言うと、そこまでの難易度は感じられない。一通り眺めたが、「これまでの単語帳のレベルを超えている」という感覚は生まれなかった。2019年2月に発売された新しい単語帳。
【7冊目以降〜】
これ以降はざらっと眺めた程度であるが、TOEFL関連、IELTS関連のものを中心に4、5冊ほど国内で出版されている難しそうな単語帳を探してみた。しかし、上記の単語帳を上回る難易度のものは確認されなかった。
国内最高難度の単語帳はおそらくこれだ
念の為「おそらく」をつけておくが、上記レビューの結果、国内最高難度の単語帳にふさわしい一冊はこちらと思われます。
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次に難しい単語帳と思われるのが、植田一三先生の「Vocaburaly 1000」、もしくはジャパンタイムズの「英語を英語で理解する英英英単語」ですが、これらに収録される単語の多くが、この「TOEFLテスト 上級英単語2500 (東進ブックス)」にかなりの確率で出現します。
逆にこの単語帳にだけあって、他の単語帳に収録されていないものも結構あります。
試験対策の観点からコメントすると、国連英検特A級対策用としては、この単語帳で出てくるendotherm(内温動物)とかdeciduous(落葉性の)とかのTOEFL単語はあまり重要ではないので、効率良く国連英検特A級の単語を学習できるアルクの究極シリーズである「最上級の3000語」や「極上の1000語」、また植田先生の「Vocaburaly 1000」をお勧めしますが、取りこぼし英単語を探している方はぜひ一度これをやってみると良いと思います。
東進が出版しているだけあって、まず誤植はなく、美しい単語帳である。
また、録音CD付きで耳からの学習もできるので良いです。TOEIC990満点や英検1級の達成者であっても、多くの知らない単語に遭遇できる一冊です。
さらに難しいのはGRE
これまで紹介された単語を当たり前の様に知っている単語マニアの方は、もはや国内にそのレベルを求めてはいけません。
残された道はGRE(Graduation Record Examinations)に足を踏み入れるしかありません。
GREについて私は詳しくないですが、TOEFLやIETLSはノンネイティブの留学生に課されるテストであるのに対して、GREは英語ネイティブにも課される大学院入学の基礎学力を証明するテストのこと。
つまり、GREの単語がおおよそ分かれば、教養のあるネイティブの社会人や大学院生と、「テストのための高難易度の英単語の習得」という点においては肩を並べられるということになります。
GREの単語帳については、洋書がほとんどだが、和書も少しは流通しているようなので、眺めて見ると良いと思います。
ただ、こちらについても、これまで上記で説明した国内の単語帳をやり終えた方であれば、半分以上は知っている単語ということになります。
実際に結構解けるのでチャレンジすると良いと思いますが、この先はどこ目指せば良いのか、まだ私も分かりません。
少なくとも、世間では教養のあるネイティブは、テストに出る単語だけでなくスラングなどのテストに出ない単語も含めて「30000語彙レベル」と言われるので、そのレベルに自分が達していないことだけはわかります。
ただ、ぼんやりと学習計画の構想だけは以下のようにあります。
辞書を覚える
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携帯用のHANDY版が小さくて持ち運びが便利である。
自作単語帳を作る
洋書などで遭遇する知らない単語を、ひたすらPCのデータベースに取り込み自作単語帳を作る。有料会員の英辞郎 on the WEB Proが使いやすい。
スラングを覚える
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当然、単語だけではなく、言い回しも併せて覚える。すぐに真似できる様に、音声付きが良い。
コーパス系の単語リストを覚える
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この少しオタクっぽいデザインが特徴的のシリーズ「極限」と「終極」。これらは単語帳というよりは単語リスト。例文がないので少し覚えにくそうだが、このシリーズの果てはなんと35000語レベルまである。Kindleunlimitedで全て無料の手に入るのは驚きである。
私の単語の覚え方
これまでたくさん単語帳を紹介しっぱなしで、その覚え方について言及しないのは、少し記事の書き方が乱暴でした。(反省)
一度覚えた単語達
基本的に、上記で紹介した日本の単語帳達は、だいたい頭の中に入っているつもりです。ただ、ボキャビルを継続的にしていないと、一気に忘れていってしまいます。
国連英検特A級に合格した後も継続的にボキャビルをしないと、覚えた単語を全て取り戻すのに2、3か月はかかることが今回身にしみて分かった。語呂合わせも含めて、単語を記憶に留めるための情報回路がブツブツ途切れている様な感覚。これを一つずつ再構築する作業量は膨大。
— なみすけ85 (@namisuke85) September 30, 2019
そのため一旦覚えた単語は、一定の周期で「再開→思い出し」のプロセスを入れて覚えるようにしています。筋トレと同じですね。
新たに覚える単語達
これについては、諸説あります。
すでに英語のプロ達や記憶術の先生達が、実験や膨大なサンプルデータを基に提唱されている方法論に対して、「私の覚え方!」なんかが通用するわけもなく。
そこを踏まえた上で私なりの覚え方を以下に書きます。 まず、「新たな単語を覚えるステップ」は以下の階層に分かれると考えます。
レベル2:意味があやふや(なんとなく意味を予想・推測できる。単語を見たことがある。)
レベル3:意味がわかる
レベル3が「単語を覚えた」という理想の状態です。
そして、レベル2をレベル3に昇華させるのは、単語帳と睨めっこすることで解決する場合が多いですが、レベル1をレベル2に持っていくのが結構大変なのかな、と思っています。
そのため、私が未知語に出会った時は、レベル1のものをレベル2に持っていく努力に力を注ぎます。
つまり、「単語への親しみ度 (familiarization)を高める」ということです。 この手段として、多少語源や単語のネットワーク(シソーラス)なども使いますが、主に「語呂合わせ」に頼ります。
そしてその語呂合わせとは、正直なところ、人に見せれない感じのものとなっており…駄洒落みたいなものから下ネタに寄ったものまで色々です。(こんなことをブログで書いて良いのか分かりませんが…)
要は、「今自分が知っている情報(言葉やイメージ)を使ったリンク、且つ、できるだけ自分に直感的に働く印象の強い語呂合わせ」の2点が含まれていれば、長いアルファベットの文字列のような単語であっても意外と覚えるのは容易です。
このプロセスを一定期間やって、未知語がレベル2になった段階、すなわち「この単語見たことがある!」と馴染みが出てきたレベルになったくらいから、英語の読み方や発音等を意識して、ようやく正規の覚え方に入ります。
変な方法なので全く参考になるか分かりませんが、これで上記の単語帳達はだいたい制覇しましたので、念のため書いておきます。
※ なお追伸ですが、ネイティブ向けのSATやGREの単語帳においても、情景やイメージとリンクする駄洒落的な覚え方が推奨されているのを本屋で確認して、少し安心しましたw
まとめ
まずは上記の「単語帳」の習熟度、すなわち発信型単語への昇華を目指して、少しづつでもやっていこうと思います。
それが大体固まったら、その後は、辞書をやるのか、単語リストに走るのか、また進捗があればシェアしたいと思います。
いつの日か私の単語学習に終わりが来ることを信じつつ。