こんにちは、なみすけ85です。
我が家の洋書多読を振り返ると、Nate the Gradeからはじまり、Wimpy Kidシリーズ14巻。
単語や文法の前知識を英検学習側で入れた上で洋書を読むと、実際に結構読めるので、楽しく英語力向上が実現されました。
今回は、小学生の英語学習において、洋書多読の最終ゴールに設定している「ハリーポッター」に挑戦してみました。
Contents
ハリーポッターの洋書
ハリーポッターについては説明不要の世界的な名著ですね。
最近はリイシュー版として様々な可愛いブックカバーで出版されています。
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上記のようなハードカバーの全巻セットもあり、以下のようなソフトカバーのバラ売りがあるようです。
なお、英語圏におけるハリポッターの読者年齢は、「小学6年生」や「9〜11歳」等、いわゆるネイティブの小学校高学年向けとされています。
難しさ ー これまでの洋書との比較
読者年齢が小学校高学年向けだけあって、挿絵がなく文章量が多い、難しい単語が多い、ことが特徴です。
これまで読んできた小学校低学年向けのwimpy kidとの比較では以下のような感じです。
挿絵がたくさんあるwimpy kid(左)と比べ、文章だけのハリーポッター(右)
これまでは挿絵によって、ストーリーの状況把握が容易でしたが、ハリーポッターでは文章だけで内容を理解する必要があります。
とはいえ、ハリーポッターのストーリーは「魔法」だったり「戦い」だったりと、子供でも十分理解でき楽しめる状況設定となっています。
そのため、軌道に乗ればどんどん進みますし、量が多ければ少しずつ読み進めれば良いだけです。
問題は、単語のレベルについてです。
ハリーポッターに登場する単語は、非常に難易度の高いものとなっています。
1巻「賢者の石」の始めから真ん中の章までの中から抽出しただけでも、以下のようなものが目につきます。
beefy, shuddered, ruffled, trembled, parchment, quivering, strangled, whacked, wrenched, shack, fierce, shriveled, bewildered, smuggle, willow, plump, rummaged, simmering, fumes,
レベル的にはSVL9~12くらいで、アルク単語帳「究極の単語帳」においては「超上級」という分類に該当します。
wimpy kidにおいても、英検準1級超えの単語(SVL7以上の単語)が結構ありました。
早期英語、英検2級対策で多読した洋書14冊の未知語(合計331語)をデータ化してみた。
内訳は、
・初級-中級(SVL1- SVL6): 89
・中級-上級(SVL7- SVL12): 112
・その他(SVLに属さない):130
対象年齢9歳の洋書でも準1級超え単語(SV L7以上)が意外とたくさんあった。 pic.twitter.com/whO3iRWXp8— なみすけ85 (@namisuke85) May 5, 2021
しかし、ハリーポッターでは、その上をいく、英検1級単語(SVL9以上の単語)も高頻度で出現します。
ハリーポッターの最大の難しさは、登場する単語のレベルにあると思われます。
難しい単語へのアプローチ
上記のように文章量については少しずつ読むことで対処するとして、難単語に対しいかに対応するか。
我が家の対策でうまくいったものをいくつか紹介します。
- 英検準1級の単語帳
- ハリーポッター専用単語集
- 未知語は適当に流すマインド
これらを活用して、ハリーポッターを読み進めることができました。
英検準1級の単語帳
まず英検準1級の単語帳です。
こちらの記事で紹介したように、口語的に暗記できるDUO 3.0を始めにやり込みました。
その後、キクタンに移行しました。
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DUOがしっかり染み付いていれば、キクタンで差分(:知らない単語)だけチェックして、覚えれば良いだけになります。
ちなみに子供がチェックしたので精度を欠きますが、DUOをやった後に、キクタンの中で「全く出会ったことがない単語」を抽出してみました。
結果、全数(1120個)のうち、276個が未知語という結果になりました。
このような単語帳を並行してやっておくと、ハリーポッターの未知語が多少なりとも削れます。
そして、「キクタンのあの辺りにも確かあったな〜」と思い出すだけでも、単語習得の効率が上がります。
ハリーポッター専用の単語帳
次にハリポッター専用の単語帳の活用です。
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こちらは単語リストのようなもので、一般的な単語帳のように、音声や例文がついているものではありません。
シンプルに、ハリーポッターのストーリーで使われる「英単語」と「意味」のセットです。
まずは、こちらを参照せず本書を通読し、一巻読み終わった後に、こちらを見て知らない単語があればチェックして、語彙を増やしていく流れにしています。
本書を活用する良さは、単純に楽な点かと思います。
英単語を辞書で調べると色々な和訳が記載されており、文章の文脈がぼんやりしている状態で、どれが適当な和訳か判断することは、なかなか難しい。
そこで本書は、シンプルな構成といえど、各章別に単語がリストされており、ドンピシャの和訳がわかるので使い勝手が良いです。
また、「英検等いわゆるテスト用の単語帳に登場しないが、ネイティブの子供たちは知っている単語」を拾う際に大変有効です。
例えば、1巻「賢者の石」の例で言うと、
crisp : ポテトチップス
poker : 火かき棒
parrot : オウム
foghorn : 霧笛
archway : アーチの道
等々、テストには出ないがストーリーを把握する上で必要な単語を理解することができます。
今後、生の英語をどんどん楽しむためには、こういった単語も徐々に吸収すると良いでしょう。
未知語は適当に流すマインド
知らない単語は知らないし、苦手意識がある単語はどんなに頑張っても覚えられないものです。
文章を読んでみて、なんとなく状況がわかる、少しでも内容を楽しめる、程度でまずはOKかと思います。
適当に流すマインドも同時持っておくと、ハリーポッター導入がスムーズにいきました。
英検のお勉強と比較
なんだか単語も難しそうだし、大変そうだなと思われるかもしれません。
が、実際に子供に聞いてみると、英検のお勉強よりはハリーポッターの方が良いようです。
こちらは我が家での理由ですが、そろそろ小学5年生になり、徐々に中学受験のお勉強が始まっています。
そこに英検の「お勉強」を足すよりは、冒険もののハリーポッターを読む方が気が楽だとのことでした。
「お勉強」感が少ない学習方法としてもおすすめです。
読み終わった後は映画版!
こちらは映像付きのハリーポッターだからこそのステップです。
一巻終わる度に、洋画を見てみましょう。
ポイントは以下で進めています。
- 1周目:字幕なし
- 2周目以降:英語字幕あり
- 好きなフレーズを覚えられたらなお良し
当初、字幕なしでは聞き取れないフレーズが多く楽しめないだろうと予想していましたが、意外と理解できるようです。
予備知識として、「洋書によるストーリー把握」+「映画の映像」が助けになって、完全には聞き取りができなくても、とても楽しいとのこと。
また、ここで好きなフレーズや記憶に残るフレーズに出会えると最高ですね。
実際にやってみた感想
まず我が家では単語帳とセットで1冊読んでみました。
小4長男の早期英語、この4ヶ月くらいでDUOとハリポタ1冊完了しました。英検準一級学習の下準備はできたかな〜🧐 pic.twitter.com/7VaT3rrPId
— なみすけ85 (@namisuke85) July 18, 2021
その後実際に上記の方法で読み進め、既に3冊ほど読破しています。
単語の難しさは本人も感じているようですが、理解度は大体8割前後といったところかと思います。
全部で7冊ほどあるようなので、残り4冊を小学校在学中に楽しく読破し、洋画とセットで楽しめるレベルになれば良いと思っています。
また、英検合格への寄与については、英検準1級の合格に直結するかというとそうでもない気がします。
例えば、英検の過去問題集をゴリゴリやった方が合格率は上がりそうです。
しかし、現時点では中学受験との兼ね合いでそこまではできないため、いつかテストにも反映をされることを信じて、「持続できる形での英語力底上げ」として続けておくことにしています。
まとめ
ハリーポッターに限らず、シリーズものの洋書を読む際、始めの1巻にとても時間がかかります。
登場人物の把握や大まかなストーリー等、そのシリーズの予備知識を知る必要があるためです。
しかし、一旦軌道に乗れば、2巻、3巻は意外とすんなり読めるようになります。
単語においても、最初の1、2巻の単語が分かれば、その後新たに登場する単語はほんのわずかです。
小学生のみならず、中学生高校生の洋書多読としても、ハリーポッターを活用してみるのはいかがでしょうか。