先日このようなツイートをしました。
たぶんだけど、、小学生低学年の子が英検2級を目指すとき、長文読解は「超テキトーにやる」くらいがちょうどいい。まともにやろうとするとスランプにどはまりしますわ。EUの輸出規制とか遺伝子組み換え食品とかこんなん。。脱真面目。
— なみすけ85 (@namisuke85) 2019年6月24日
英検2級の長文は、小学生低学年の子には難しすぎるから適当に程々にやりましょう、というもの。
前回の記事に記載した様に、こんな難しい内容のものを無理強いしていては、子供もたまったものではありません。
同様に、これをまともに教えようとしたら、親も気が変になりそうです。
(過去記事はこちらを参照:【挫折】なぜ小学2年生は英検2級の長文を読めないのか?【受験対策をやってみた】)
今回は小学生の長文対策についてです。
できるものだけ頑張る精神
とは言っても目標は英検2級合格ですので、長文を完全に捨てるというわけにはいきません。
そこで思い出さなければいけないのは、「小さい子が英検準2級以上目指す時は、できるものだけ頑張る」精神です。英検準2級の時から提唱してきました。
ではこの「できるもの」とはどんなものなのか?
前回記事の通り、実際に息子の特徴や性格、読めない原因等を分析し、大学受験の対策から自己流の手法まで、手を変え品を変え、一般的なものは一通りやってみました。
結果として、特別な即効性のある対策は確認できませんでしたが、「小さい子供でもできるバランスのとれた長文対策」と思われるものは見つけることができました。
一般的な対策(中学生・高校生向け)は要注意
英検2級や大学受験で、長文読解が苦手な場合の一般的な対策(中学生・高校生向け)は、前回記事に記載した通りです。
問題は、これらの対策が年齢の低い小学生に効くかどうかが不確実な点。
基本的に手順が複雑だったり、高度な背景知識を要求するので小さい子供に適用するのが難しそうなものが多々ありました。
この経験を踏まえ最も強調したいことは、良かれと思って、新たにお兄さんお姉さん向けの対策を取り入れることが、逆効果を生む可能性があるということ。
「英語の語順のまま英語を理解する」は、私の英語力を支える根幹でもあり、とても大切にしています。
しかし息子があまりにも長文が読めないので、あろうことか、返り読み(英文を行ったり来たりする、時間が倍かかる悪い読み方)を教えていました。
無理矢理難しい文章を読める様にさせたいがために、これまでの学習で培った「英語を左から右へ読む」という良い習慣を奪う、とんでもない行為でした。
中学生・高校生など年齢が上のお子さん向けの一般的な対策を、小学生低学年などの小さいお子さんに適用させる場合、この様な逆効果のリスクが生まれることには十分気を付けたいところです。
小学生向けの対策
小学生向けの対策は、タイトルでネタバレしていますが、単純に洋書を読みまくるというもの。
ただし、ただ読むだけではなく、洋書を通して効率よく学習していける様にルールを決めておきます。
まずは、この学習に入る前の英語力の前提条件。
- 単語力をある程度つけておく
- 中学校の文法(:英語の形のパターン)までは最低完璧にしておく
- 上記以外にも、お子さんに適切なルールを決める(例:我が家では、英検2級と準2級の「ひとつひとつわかりやすく」に記載される文法(=高校の英文法)をざっくり頭に入れました。)
洋書を読む手順は、以前の記事で紹介したもの含めて考えました。
(過去記事はこちらを参照:洋書の多読に初挑戦!)
原則ルールは洋書学習を通して得とくさせたい事項が該当します。ここは各ご家庭によって異なってきます。
続けるやる気が一番大切なので、できるだけルールは少なめに、そして子供が楽になるように配慮しつつ、我が家ではとりあえずこんな感じの5か条になりました。
- ルール1:英語の語順のまま黙読(返り読みはしない)
- ルール2:分からない単語は推測してどんどん進む(いちいち調べず、印だけつけておきく)
- ルール3:細かいことにこだわらず、どんなストーリーを考える(大意をつかむ)
- ルール4:知っている文法を使いながら読む(できるだけ)
- ルール5:(毎日読み終わった後は、)ストーリーを親に伝える
あとはどんどん洋書を読んでいくだけ。
洋書多読を初めて実践するというご家庭は、このルールを定着させるため、親が子供に付き添って一文一文一緒に読む必要があります。
我が家もまさにこれからのスタートですが、最初の2、3ヶ月は一緒にやることになりそうです。
そこで大体読み方のコツを掴めたら、あとは子供に任せられる様になるでしょう。(たまにちゃんと読めているかのチェックは必要。)
なお、洋書多読の実践方法をまとめた入門書として、こちらの書籍もおすすめ。
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特に下ツイートに書いたように、レベル別で洋書がカテゴリ分けされているので、洋書多読を長く実践しる中で洋書を選ぶ際の基準になります。
こちらの書籍の背表紙は、洋書多読の際に参考になる。
・具体的な洋書
・英語圏における対象年齢
・英検の級
この3つが紐づいた表はなかなか見た事がない。本書ではさらに多くの洋書がレベル別に提案されている点も素晴らしい。 pic.twitter.com/BoGxqPAdfo— なみすけ85 (@namisuke85) May 2, 2021
また、上記は我が家のケースをベースにしているので小学生向けの対策としている一方、中学生や高校生の方にも同様の効果が期待されます。
が、この年代のお子さんへの指導経験が少ないので、本当に洋書の多読が効果があるかどうか、私の推測の域を出ませんので参考程度として下さい。(多分効果はありますが)
多読におすすめの洋書30選
それでは、小学生低学年でも読みやすそうな洋書を列挙していきます。
選定は、わたしの独断で行っているだけなので、当然これ以外にもたくさん良い洋書は存在します。あくまで、一例として参考にして頂きたく。
選定基準は以下。
- 難易度:英検準2級・2級の文法・単語レベルで読めそうなもの
- ストーリー:小学生低学年の子でも理解でき、楽しめるもの
- 音声:できれば音声付きだが、これに限らない
それでは気に入ったものからチェックしてみてください。
(1)Nate the Great
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初めは準2級レベルでも十分読める、易しめの一冊。我が家では、息子が英検準2級を学習中に読んでみて楽しめた洋書。
本書は英語音声が用意されているので、リスニングも鍛えたいという方は併せてCDもおすすめ。
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なお、上記CD(VOLUME 1) は同シリーズ下記4冊分まとめたお得な音声となっている。本書はこのCDに含まれている。
- Nate the Great
- Nate the Grate Goes Undercover
- Nate the Great and the Halloween Hunt
- Nate the Great and the Monster Mess
Nate the Greatシリーズで多読を勧める方は、このパックCD+対応の洋書を購入すると安く済む。
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上記(1)のCDと併せてどうぞ。
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上記CD(VOLUME 2) は同シリーズ下記4冊をまとめたお得な音声となっている。本書はこのCDに含まれている。
- Nate the Great and the Phony Clue
- Nate the Great and the Missing Key
- Nate the Great and the Snowy Trail
- Nate the Great and the Crunchy Christmas
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上記(5)のCDと併せてどうぞ。
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小学生低学年向け。
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小学生低学年向け。(少し難易度高めかも)
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小学生低学年向け。
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小学生低学年向け。
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小学生低学年向け。
息子曰く、この本はポケモン好きにはたまらない内容らしい。内容は4コマ漫画で、そのページの横に各キャラクターの説明文がある。
洋書を読んで笑ったり、「こういう面白い話なんだよ!」と積極的に息子がストーリーを伝えたがったり、と英語モチベーションが異様に高まる一冊。
イラストがかなり理解をサポートしてのことだと思われるが、「英語で楽しめる本」というのはとても貴重。
こちらは、4コマ漫画に加え、各ページにクイズ付き。上記(17)と本書(18)については、息子が遊び感覚で自ら進んで読んでいる。「進化」、「電気」、「能力」など、英検2級単語のオンパレード。
妖怪ウォッチ好きのお子さんには、漫画の英語版。一つ一つの話が、上記(17)(18)の四コマと比べて長いので、その分レベルが一つ上といった印象。
英検2級程度の語彙力がないと、楽しむのは少し難しいかも。ただ、好きなものからやるのも大切なので、もし妖怪ウォッチにハマっていれば挑戦してみるのもあり。
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ネイティブの9歳以上向けの洋書ということで、小学生低学年にもぴったりの内容。漫画調の挿絵もあり、本を読みたがらない子供でも興味が湧くと定評あり。(「グレッグのダメ日記」と名前で、この和訳本が小学3年生の教室に置いてあった。)
Nate the Grateシリーズが簡単だと感じたら、次に挑戦したいシリーズ。単語も、一部ネイティブ多用語を除き、大体英検準2級〜2級くらいで適切な難易度。
一方、一文一文が関係代名詞や接続詞を使って長いものもあるので、英検2級の長文読解の練習にうってつけ。(例:”The other thing I want to clear up right away is that this was MOM’s idea, not mine.”)
ハードカバーになると値段が上がるのでペーパーバックで十分。
(20)〜(23)までまとめたパックあり。我が家はこちらを購入済みで、今後読破予定。
CD音声も出ている様なので、読み終わったあとのリスニング強化まで持っていける。(うまく商品ページを貼れないので、AMAZONで検索してみてください)
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まとめ買いは、上記(20)のセットがお得。
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多くのイギリスの小学校で実際に使われている信頼の洋書。最近では、これを使った学習法をまとめた本を出されている方もいらっしゃいますね。品質は最高な分、若干値がはる。
なお、ネイティブの対象年齢と本書シリーズのレベル対応は以下の通り。
- ネイティブ4〜5歳:Stage 1〜3
- ネイティブ5〜6歳:Stage 4〜6
- ネイティブ6〜7歳:Stage 6〜9
英検準2級レベルであれば、「とりあえずStage 9に挑戦してみて難しそうならレベルを下げる」という流れが良いかもしれない。
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小学生低学年向け。
洋書選びで気をつけたいこと
上記をおすすめの30選としていますが、結局は洋書の「難易度」と「興味」が適切であれば、各ご家庭でどんなものを選んでも効果が期待できます。
その際の参考までに、我が家の洋書選びの失敗談を掲載しておきます。
- 背伸びして難しい洋書を選んでしまうと、親子でカオスを生むだけなので要注意(英語学習者あるある)
ポケモンが好きだと思って買った「名探偵ピカチュウ」の洋書は、登場する単語が準1級レベルで難しすぎて初日で挫折しました。
他にも、TOY STORYやSTAR WARSなど、映画のストーリーを書籍化したものがありますが、全体的にレベルがワンランク高いのかなという印象でした。
長くて深みのあるストーリーを楽しむためには、より正確な内容の把握と情報維持が要求される気がします。単語も難しいです。
我が家では、英検準1級レベルになってから、この手の洋書を導入予定。
- 真面目な童話よりは少しふざけたな内容のもの
これは完全に息子(小学生低学年)の例ですが、真面目なストーリーよりは、直感的に興味をひく洋書の方が好きな様です。
以前の記事で初めて洋書に挑戦したとき、息子はグリム童話シリーズを読みましたが、読み返しをするほど楽しくはなかった様です。
- 適正価格のものを選ぶこと
AMAZONであっても、販売者によって価格帯にばらつきがある様に見えます。
同じ商品なのに変に高いものを選ばない様に注意が必要です。(ただし、逆にAMAZONなどオンラインストアの方が書店よりも割引が効いている場合も多々あります。)
上記の30選は、そのあたりの変に高い商品は掲載していません。
また趣味の問題ですが、大事なのは英語に触れることであって、極論読めれば良いです。高価なハードカバーでなくとも、ペーパーバックで十分機能するでしょう。
英検への適用
洋書の多読を毎日少しずつでもやります。そうすると、長文読解力が上がってきます。
しかし、英検2級の長文を全部理解できるようになるかというと、100%は無理でしょう。
ただ、ここで得る読解力の向上は、これまで長文の正答率が30%だったものを50%、60%くらいには持っていける可能性を秘めていると思っています。
まだ我が家でもこれから本格的に実践するという段階なので、説得力に欠けますが、難しい長文に出くわした際に完璧でなくともなんとなく意味が分かるようになれば、自然と正答率も上がるはずです。
洋書多読と併せてやりたいネイティブ小学生向け教材の紹介はこちら:内容が難しい英検の長文読解を小学生がいかに練習するか?【洋書多読と併せて】
まとめ
おそらくですが、「小学生のお子さんが英検3級まではスムーズにいけた」というご家庭は決して少なくないと思います。
しかしそこから先、英検準2と2級のいわゆる「英検中級」の長文になると、ぜんぜん正解できないというケースも同様に多いことが予想されます。
そんなときに、上記の手法で洋書と気長に向き合うことが1つの解決策となるかもしれません。
そして何より、子供が英語学習中に笑顔になることが増える点が素晴らしいです。
ぜひ上記以外にもご家庭に合った多読のルールを作り、洋書を通して、英語を体に染みつけていきましょう。そうすればきっと英語の自然な読み方を体得でき、英検の長文への対応力がつくはずです。
良い洋書があればまたシェアしていきます。
なお、洋書で遭遇した未知語のデータ化に興味があれば、以下の記事も参照ください。
小学生低学年の子向けの英検準2級・2級の長文読解対策とは、できるもの(=簡単な洋書多読)をやっておき、解ける問題を増やして合格を目指してみようという記事でした。